オリンピックとは


オリンピックは4年に1度開催される世界的なスポーツの祭典です。スポーツを通した人間育成と世界平和を究極の目的とし、夏季大会と冬季大会を行っています。2004年の第28回オリンピック競技大会(ギリシャ・アテネ)では28競技301種目が採用され、202の国と地域から1万 625人が参加。去年の第29回オリンピック競技大会(中国・北京)でも28競技302種目が行われ、204の国や地域から選手が参加しました。オリンピックは世界を挙げた一大競技大会として知られています。


オリンピア祭典競技今日のオリンピックといえば1896年に始まった「近代オリンピック」のことを指しますが、その前身は紀元前776年から開催されていた「古代オリンピック」です。「オリンピア祭典競技」と呼ばれ、古代ギリシャのオリンピア地方で行われていました。起源には諸説ありますが、それらはすべてギリシャ神話に由来し、もともとは神々をあがめる体育や芸術の競技祭だったといわれています。しかし、幾多の戦乱に巻き込まれた古代オリンピックは393年の第293回オリンピック競技大祭を最後に終焉の時を迎えました。


ピエール・ド・クーベルタン男爵それから実に1500年が経った1892年。フランスの教育者であったピエール・ド・クーベルタン男爵の働きかけによって、オリンピックは復活の道を歩み始めます。クーベルタンは1894年6月、パリ国際会議の席上でオリンピック復興を提唱、これが満場一致で可決され、同時にオリンピックをつかさどる最高機関として国際オリンピック委員会(IOC)も設立されて、1896年、オリンピックの故郷であるギリシャのアテネで記念すべき第1回オリンピック競技大会が開催されました。大会には14カ国、241人の選手が参加し、ここに近代オリンピックの歴史が幕を開けました。


クーベルタンが唱えたオリンピズム(オリンピックの精神)の中核は、スポーツにより肉体と精神のバランスのとれた人間を育てることと、スポーツを通して人種、宗教などの壁を乗り越え、相互理解を深め世界平和に寄与することです。オリンピックのシンボルである五輪のマークもクーベルタンが考案したもので、世界5大陸の団結を表しています。オリンピックを復興へと導き、第2代IOC会長を30年間務めたクーベルタンは、後に「近代オリンピックの父」と呼ばれるようになりました。


嘉納治五郎一方、日本における「オリンピック運動の父」は、東京高等師範学校(現在の筑波大学)の校長であり、柔道の普及に努めた嘉納治五郎です。教育者として大きな足跡を残した嘉納は1909年、当時IOC会長だったクーベルタンからアジア初となるIOC委員就任を要請され、これを受諾。日本のオリンピック参加へ向け、大日本体育協会(現在の日本体育協会)を設立し、1911年には国内選考会を開いて、陸上短距離の三島弥彦、マラソンの金栗四三を代表選手に選出しました。そして翌1912年、スウェーデンのストックホルムで開催された第5回オリンピック競技大会で日本初のオリンピック参加を果たしたのです。


スポーツと平和を愛した近代オリンピックの父・クーベルタンのオリンピズムは、今日も脈脈と受け継がれています。近年ではオリンピックのテーマである「スポーツ」と「文化」に「環境」が加わり、地球上の人々が地球環境について考える良い機会をつくることで、世界平和に寄与しています。アスリートたちが生み出す興奮と感動に環境保全への取り組みが備わったオリンピックは、夏季大会が2012年にロンドンで開かれる第30回オリンピック競技大会まで、冬季大会は2014年にロシアのソチで開かれる第22回オリンピック競技大会まで開催地が決定しています。